私たちは私たちの人生を生きる

映画製作に戻っていった動画クリエイターの話

一緒にポッドキャストをやっている友達がいる。

彼女と仲間たちが自主制作した映画が、とある映画祭のとある部門に選出されたそうだ。そのニュースを聞いて私は「ああ、原点に立ち戻っていったんだなぁ」と感じた。

彼女と出会ったのは数年前。当時、彼女はクラシックスタイルのアパレルを取り扱うオンラインショップを運営していた。

若い頃は映画製作をしつつも、物販というビジネスを始めていた彼女に「扱うものが変わっても、映画製作で得たエッセンスがふんだんに詰まったお店だね」というようなことを伝えた記憶がある。

実際、その一つとして同じものはないインポートウェアから、映画好きにはたまらない細部に神が宿るようなディティールを感じられたから。

でも、アパレルには満足しなかったのだろうか。彼女はショップを畳み、動画制作を生業とし始めた。

それと前後して「映画製作」に、また戻っていった。

「映画製作」が持つ、「皆で話して」「考えて」「撮ってみて」「作り上げたり」「壊したりして」「完成に近づけていく」ステップを他の媒体でも再現するために、今度は”インディペンデントな自分だけのメディアを持つ”と銘打って、ポッドキャストを始めもした。

私はポッドキャストを一緒に録ることで、彼女の掲げる世界の仲間に入ったのだ。

話は戻るが、彼女と仲間たちが制作した映画は見事に映画祭でピックアップされた。

やっぱり、やめたくてもやめられないもの。また戻ってきてしまうもの。

そういう軸を日々の暮らしの中に置けるのは、

「今を生きる人生には、とてもとても大切なことだ」と、じゅわわ~っと染み渡るように私の胸を打った。

私はと言えば、人と付き合っていくのに苦手意識があるが、人の話を聴かずにはいられない。

聴けば、知らぬ間にファンになってしまうこともしばしば。

あなたが「今を生きる」とき。

やめたくてもやめられないもの、また戻ってきてしまうものは何ですか?