「自分探し」や「やりたいこと探し」に必死になりすぎると、時に自分を見失ってしまうことがある。

人生100年時代に突入し、かつてより人生における「働く期間」は長くなった。

人は自分の働き方や生き方を模索し、時に悩みすぎて動けなくなることも。

会社員ながら自分の好きなことで副業をしてみたいと考え、行動を起こしたぱんちゃんに話を聞いた。

自分の「好き」をビジネスにしたいけど、途方に暮れるばかり

「一番の問題点は『得意なことが分からない』ってことでしたね。」とぱんちゃんは言う。

某広告代理店の総務部に勤務し、プライベートでは80年代90年代のカルチャーをこよなく愛し、日々Instagramで発信を続けていた。ただ、自分の「好き」な事が、どうやったらビジネスとしてお金になるのかは、いくら考えても全く分からなかった。「自分では何ができるのか?」 、「何を有料で提供していいのか?」、 「自分の好きなことにお金を払ってくれる人はいるのか?」、考えれば考えるほど動けなくなっていく。

ヨシダ氏は個人向けのキャリア開発プログラム『ゼロから商品開発部』をスタートさせるところだったのだ。『ゼロから商品開発部』は4人前後のグループが毎週ZOOMで集まり、ワークシートを基に一人ひとりが今週あったことや自分の心に触れたことを話し、他のメンバーからフィードバックをもらうプログラムだ。

ぱんちゃんは言う。「メンターに『ぱんちゃんは、何に興味があるの?』と聞かれて答えられなかったんです。ビジネスとして考えれば考えるほど、その答えが分からくなりました。」メンターの質問に答えられなかったのがショックで、一年の目標を『1年かけてやりたいことを見つける』と定めたぱんちゃんは、もともと知り合いだったヨシダ氏の『ゼロから商品開発部』に二つ返事で申し込んだ。

メンバーからのフィードバックで、徐々に強みが明確になった

誰かに「コレやった方がいいんじゃない?」って言われても、心が動かない。「これやったら儲かるよ」も響かない。「じゃあ、どうやったら自分に響くのか?・・・」、考えても考えても答えの出ない日々に光が見え始める。

「インスタを始めたいけど、どうしたらいいか分からない」という知人の悩みに対して、「始め方やプロフィールの書き方、相性のいいフォロワーの見つけ方などなら、お伝えできますよ」と伝えたところ、他にも教えてほしい人が想像以上にいることがわかった。あれよあれよという間に、ぱんちゃんはオンラインコミュニティ『みんなのインスタを褒めて伸ばす会』を立ち上げることになる。

オンラインコミュニティの開始と同時に『ゼロから商品開発部』が始まった。『ゼロから商品開発部』の毎週のミーティングでは、コミュニティ運営の振りかえりを主にした。グループのメンバーからは「無理してマネタイズしているように感じる」「ぱんちゃんの素敵なところはそこじゃないよ」といったフィードバックがあり、自分の行動を見つめ直せるようになった。

「自分の原動力は誰かが困っているとか、『教えてください』って言葉なんだって腹落ちしたんです。そして、Instagramで困っている人たちの投稿に何らか効果が出て、喜んでいるのを目のあたりにすると『自分のことのように嬉しい!』という感情にも気づけたんです。」週に1度のZOOMでの振り返りの時間を毎回心待ちにしていたというぱんちゃん。それぞれの気づきを利害関係なしにフィードバックできる仲間との時間は、何物にも代えがたいものになった。

ヨシダ氏はポジティブ・フィードバックの人

俗にいうコンサルタントさん達の「教えてやるよ」というスタンスが好きではないぱんちゃんは、ヨシダ氏からのフィードバックを軽い驚きと共に受けとめた。「テクニックや理論を目に見える形であまり使わない人でした。ターゲットやプラットフォーム選定などの具体的セールステクニックには言及しない、それでいてかみ砕いて本質を教えてくれて、参加者自身の納得や学びが大きい。」

3か月の『商品開発部』を終えて、ぱんちゃんは「Instagramは誰に届けたいかが大事」という自分の大切にしてることを見つけただけでなく、ヨシダ氏が一人ひとりをの変化を見つめるあり方を、自分のオンラインコミュニティでも実践しようと、思いを新たにしている。

ぱんちゃんのオンラインコミュニティ運営は、始まったばかりだ。